久しぶりに父の夢を見た。
肺がんで他界して、もう七回忌も終わったというのに、
色々考えては、後悔してしまう。
遺影も見られなくて、俯き加減に手を合わせたりして。
父は子供の時から、末っ子で可愛がられて、
というか甘やかされて育った自由奔放タイプ。
何度も周りが頭を下げて、
後始末をしたとも聞いている。
母がまた、昭和のというより、
むしろ明治の女性と言いたいくらい
我慢強い人なので、
父は変わることなく父となった。
父が1番の家だったので、
父がいない方が平和なのに!
どっちが親だ!
と思いながら育った。
亡くなる前数年間だけが
平和な毎日だった気もするが、
夜中の2時から朝まで
毎晩痩せて肩甲骨がハッキリ分かる体を
さすっていると、何度も涙が出た。
最初の診断はステージⅡだったのに、
たった2週間でステージⅣと言われた。
治療法を相談してくると出かけて、
帰ってきて聞いた答えは、
「手術はしない。治療も最低限でいい」
だった。
家族で色々話し合ったが、
試せるかもと期待していた新薬が
父には合わないと分かったから決めたと
父の意思は固かった。
夜中さすっていて涙が出たのは
もっと他にあるんじゃないの?
がぐるぐる回っていたからかもしれない。
その思いは消えることなく、
むしろ年月を重ねる程に強まっている気さえする。
父が亡くなった日は大雪だった。
雪で家に帰れず、病院にいたので
帰ったら自宅のあちこちが壊れていた。
父が最後に暴れていったのかな。
お父さん、ごめんね。
そう思ったのを覚えている。
雪のニュースを見るたびに、
帰宅した時の壊れたガレージが浮かび、
何もしてあげられなかったと思う。
雪を見ると、いたたまれない気持ちになる。
この思いは消える事はないんだろうな。
時が経てばにならないこともたくさんあるね。
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